はじめに(1)
ある同級生の言葉
[1:理論編]
はじめに(1)
ある同級生の言葉
[1:理論編]
高校3年生。受験する大学もいくつかに絞り、最後の追い込みという時期。あるクラスメートが私に問うてきた。
「学部はどこ入るねん? 商か経か?」
「いいや。文やけど?」
「文学部? 文で何すんの?」
「えっ? 歴史やりたいねん」
「はぁ? 歴史? お前のおやじさん、
経営者やなかった? お前、あと継げへんの?」
「いやぁ、まだ分からんけど、あと継ぐにしても、
歴史はやるつもりやで」
「はぁ? 経営者やったら商か経、行っとかなあかん
やろ? なんで歴史やねん?! お前、ほんま歴史
好きやなぁ」
学生時代から、歴史や古文の点数は良かった。級友もそのことは知っている。大学で歴史を勉強することは趣味の延長として認識されたようだ。
しかし、私はいわゆる「歴史ズキ」ではない。三国志の登場人物をヒットポイントとともにすべて暗唱しているデータ派でもなければ、徐福が本当に日本に辿り着いたのか仔細に文献や遺跡を巡って探求していく学究派でもない。(最初は考古学者か歴史学者になりたかったのだが・・・)
あくまで、「人間学」である。少し昔なら「帝王学」と言っただろうが、西武グループの堤氏の企業不祥事が取り上げられたとき、マスコミが帝王学という言葉を「金と人を動かす手練手管の集大成」という意味で頻用した。(本来それは「覇道の術策」と紹介すべきである)
ともかく、「歴史」というものは万人に普遍的な価値観を与えてくれる唯一の教材なのだが、そのことを学校では教えてくれない。教えてくれるのは、文部科学省が定めた「歴史科」に過ぎない。
前記のクラスメートの歴史意識も仕方ない。彼だけではなく、世の中の大半がそんな程度の歴史意識しか持たされていない。
(つづく)
次回予告: 「歴史は家庭で学ぶが良いみたい」
2,3日中にお届けします。
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