歴史から学ぶ[プライベートブランド]の作り方

英雄・偉人のブランディング秘策

例えば、坂本龍馬のような事業家になれる方法?!


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 個独化ブランディングの手引き VOL.0
                   [2:実践編]

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 次回からシリーズ企画として「個独化のメソッド」をお届けします。

 このシリーズは、会計事務所向けの経営誌「月刊シリエズ」で連載させて頂いたものを、会計事務所に限らない汎用型として改訂したものです。

 元の原稿では、英雄偉人のブランディングメソッドについては一切触れていませんが、本シリーズでは、そこのところをより深く追究して書いてみたいと思います!

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◆会計事務所のためのブランディング講座

第1回 1/68,000から1/1へ

●独自性があること 独自性を主張すること
●差別化から個別化へ
●「個独化戦略」の三大原則

第2回 個別化ブランディングの実践法 その一

●ブランドとは旗印のこと
●複数の「自分像」を重ねてみる

第3回 個独化ブランディングの実践法 その二
●グランドデザインとは「自分の棚卸し」のこと
●視覚化・具象化しなければ台無し

最終回 事務所経営の改革案
●売上と人件費のイタチごっこから脱却する!
●会計事務所が記帳代行をやめると顧問先は困るか?

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 個独化ブランディングの手引き VOL.1
 「個独化」という改革戦略
                  [3:修養編]

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独自性があること、独自性を主張すること



 
ある経営者の新規事業計画書を見てとても驚いたことがありました。

 「顧客第一主義」「技術の研鑽とサービスの徹底」「あらゆるターゲットに最高のサービスを」。


 数十ページある計画書のどこにも、「スペシャルでユニークなこと」が書いていない。社名さえ変えればどこでも使える事業計画書だったのです。

 一般に、「独自性を主張する」とは「誰にでも当てはまる一般的な特徴を独自性と名付けて自慢すること」と理解されている場合が多いようです。


 
初対面の経営者に「貴社はなにが得意?」と質問して返ってくる答えは決まって同じ。


 「やっぱり価格ですかね!」「そりゃうちは老舗ですから・・・」。



 明確な「売り」で勝負しておられる経営者は、意外と少ないんです。もともと、その業界の人間だったから、とか、その世界の人脈は強いからといった程度の特徴でしか、自社の事業特性を語ることができない・・・。


 差別化するためのポイントがまったくない。
ましてや、個独化を指向できるわけがありません。

ビジネスの枠組みが大きく変わろうとしているいま、マーケティングはとても大切ですが、本当の意味での「独自性」が理解されないことには焼け石に水。どんな会社でも言いそうな一般的な特徴の羅列は、潜在顧客にとっては「独りよがりな宣伝」に過ぎません。


例えば、秦の始皇帝はなぜ史上最も有名な皇帝として後世に知られるようになったのか?



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それは、彼の残虐性が理由ではありません。

 彼の事業がすべて「個独」だったからです。

 性的で、自的。

 個独・・・。

 まず、呼び名からして個独的。

 それまで、各国の最高権力者は「王」でした。しかし、彼はすべての王を倒したわけです。

 王を凌駕した存在である自分が王のままではおかしいということで、学者に命じて、皇帝という名称を創りました。しかも、一番最初に皇帝を名乗ったのだから、始皇帝だというわけです。

 彼のこのネーミングセンス一つとってみても、ブランディングをしっかり理解していたのではないかと思いませんか?

 他にも、単位(度量衡)を統一したり、文字を統一したり、途切れ途切れだった長城を全部つなげて万里の長城を作り上げたりと・・・。

 やることなすこと、史上初で、いまだに真似されていない。真似されたのは、皇帝という呼び名ぐらいのものです。しかし、始皇帝という呼び名は彼以外の皇帝は使うことができない。

 始皇帝の例は大げさにしても、ビジネスにおいて、

 ・それまで誰もやったことがない

 ・それまで誰もその業界ではやったことがない

 ・それまで誰もそのやり方(製造工程・提供手法・価格・デザインetc)ではやったことがない

 ・それまで誰もそんなネーミングをしたことがない

というポイントを自社の事業・商品の特徴として組み込むことができれば、「個独なビジネス」として世間に認知されるようになるはずです。

 まず、マスコミにしても、特許にしても、「新規性」と「独自性」が取り上げられる条件ですから、個独化という課題をクリアしなくては、誰の目にも留まることはできないのです。

 歴史に学ぶと、マーケティングにおいて修正点が見つかるという効用があるのです。

 だから、歴史を勉強しましょう!

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 個独化ブランディングの手引き VOL.2
 「差別化」では手遅れ?
                  [3:修養編]

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近視眼的な差別化戦略に活路なし

 例えば、会計事務所業界で考えてみますね。

 いま、会計事務所の差別化戦略は同業種内部の「相対差」を問題にしているに過ぎません。

 「隣町の会計事務所に比べてどこが勝っているか」ということですね。

 しかし、ライブドアによる弥生の買収を見れば分かるように、会計事務所のテリトリーを荒らす宿敵は同業者に限りません。(この記事を書いたのが2005年4月。旧聞ですみません・・・)

 IT、保険、事務用品など多業種にわたり、さらにこれに海外からの脅威が加わります。

 日本がもし米国の税制にならって全面的な総合課税方式を導入したとして、そのときH&Rブロック社が日本に参入してきたら、ほとんどの会計事務所が廃業に追い込まれるのではないでしょうか?

 近視眼的な差別化戦略は、激変時代の会計業界人にとって、靴の上から足を掻くようなものでしょう。

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H&Rブロック社は、コンビニのような小さな店舗を全米に展開している会社です。各店舗に会計士や税理士はおらず、キーパンチャーが自分のブースに座っており、お客さんが持ってきたバウチャー(証憑書類:伝票や領収書など)をパソコン入力して、納税プランを説明してくれる仕組みになっています。日本とアメリカの納税制度の違いがありますので、日本ではこのコンビニ型会計事務所はまだありませんが、そういう動きになってきているのも事実です。http://www.hrblock.com/
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差別化から個独化へ

 こういった同業種内部での「相対差」ではなく、他業種企業の参入や社会システムの変化にも対応できる「絶対差」を作ることが大切だと私は思います。

 それが、「差別化から個独化へ」という意味です。

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 会計事務所という既存枠から脱却して、完全に「個」として「独立・独尊」の事業ブランドを構築することを目指すべきだと思います。

 現在約68,000人の税理士がいるといわれます。個独化戦略とは、1/68,000を目指すのではなく、1/1を目指すということです。

 これは、もちろん会計事務所だけに言えることではありません。

 あらゆる業種について言えることでしょう。

 今までになかった全く新しいビジネスを考え出すことが難しくなってきた、いま。

 差別化から個独化へと、経営意識をシフトしていくことが肝要です。

 しかし、その方法が分からない・・・。

 そういう事業家・経営幹部・マーケティング担当者の方ために、英雄偉人の成功例と、ブランディングメソッドの両面からこれからご紹介していきますので、お楽しみに!

 では、坂本龍馬を例に考えてみましょう!

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 坂本龍馬が特異なポイントは、完全に「個独」なところです。

 まず、出自が変わっていますね?

 商家の出です。郷士(土佐の下級武士)ですけども、それは祖父か曾祖父かが、郷士の株を買ったから。

 元々は、商売人です。

 坂本龍馬についてはしばしば言われることですけれども、「当時の武士としては経済を知っていた。武士が意識的に避ける『利益』ということについてキチンと真正面から向き合った。だから、彼の言動は合理的で近代的だ」と。

 確かにそうです。

 しかし、ブランディングの視点から見て、見落としてはならないのは、彼が「武士たちの中で経済人として認識されていた」という事実ですね。

 当時の武士は、必死で差別化しようとしていた。

 幼い頃からみな同じように論語を読んで育ってきている。一国(藩)を守るために藩士一同が一枚岩になるという意味では、武士道精神を徹底的に叩き込む。それだけで良い。

 しかし、欧米諸国に国を乗っ取られるかも知れないという状況で、一昔前と同じように、「子、曰く・・・」だけでは通用しない。

 身分が低くても、剣の腕があれば上級藩士を教える立場になれるし、学才があれば登用されることもあった。もちろん、藩によっては身分の壁が高いところもあったが・・・。

 だから、元禄期の武士と、幕末期の武士ではまったく質が違う。

 元禄は忠臣蔵をファンタジー的に取り上げて歌舞伎にしてしまうほど、平和ボケしていた。一方、幕末期はつねに白刃と隣り合わせという危機感・リスク意識があったのではないでしょうか?

 そんな時期に、武士はみな差別化にやっきになった。

 そのポイントは5つぐらいあったでしょうか?

 ・剣術

 ・警世の学問(帝王学、経済学、人材育成)

 ・語学

 ・西洋文明の研究(造船、砲術、紡績など)

 ・医学

 幕末期に活躍して、明治維新後、政府の顕官になっていった武士たちはすべて、この5つのうちのどれか、もしくはいくつかを自分のものにしていましたね?

 この中で下級武士にとって最短の道が、剣術ですね。

 当然、坂本龍馬も北辰一刀流を究めた。他の諸藩の武士も同様です。

 また、西洋文明や医学を下級武士たちに教えた緒方洪庵塾なども有名ですね。

 野心を持った武士なら語学塾の一つや二つは通った。また、吉田松陰などは武士の愛国心・国防意識を説いたという点で特筆すべき人物ですよね。

 このように、だいたいこの5つくらいに集約される。

 みなこれらを差別化の武器として身につけていった。

 言い換えるなら、スキルとして身につけた。

 坂本龍馬だけがその点、違う。

 彼は、スキルとしてではなく、事業として捉えている。

 愛国心も、剣術も、軍艦も、語学も、西洋文物への探求心もすべて、一つないしは、いくつかの事業として具象化されている。もしくは、具象化しようと企図していた。

 そこが、他の武士とまったく異なる点ですね。

 明治政府は北海道を開拓する事業をやりましたが、元々は坂本龍馬が仲間の土佐藩士と一緒にリサーチしている。

 京都で為すことなくブラブラしている有志の士を蝦夷地に送りこんで、普段は開墾事業を担わせ、一朝有事の際は、大挙して倒幕の兵として中央に戻ってくる、という壮大な事業のリサーチをたった数人でやっている。

 その事は実現しなかったけれども、発想がつねに「事業家」ですね。

 海援隊(亀山社中)はその代表例ですね。

 修得したスキルや、国を愛する気持ちとか、そういう目に見えないものでは他の志士たちと比較しても比較しきれるものではない。

 目に見えないのだから・・・。

 しかし、結果として具象化(視覚化)されたものを見ていると、元々の価値観がまったく異なることが分かる。

 つまり、差別化ではなく個独化できていた、ということになる。

 人を集める事業は、必ず「個独」でないといけない。

 それが、英雄ブランディングから引き出される成功メソッドです。

 個独化の条件は、

 ・誰もやっていない

 ・誰かはやっているけどやり方が違う

 ・誰かがやっているやり方に独自のやり方を加えている

 ・それにまったく新しいネーミングを施す

 ということです。

 坂本龍馬は、武士ではなく、事業家というスタンスに立っていたから、他の武士たちがやらなかった方法に、独自のネーミングとパッケージデザインをした。

 そこが彼が英雄と呼ばれる要因だと思います。

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