英雄ブランディング的
映画「ダヴィンチコード」の観かた
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映画「ダヴィンチコード」を観てきた。一昨年、原作を読んで、「映画化してほしい!」と切望した傑作だけに期待が大きかった。そして、その期待に見事応えてくれた!
もっとも、この話は誰が演じても誰が撮っても成功する可能性が高いと思う。それほど、ストーリーが良い。
劇場で隣の席のカップルが、「アクションがどうの。あいつの役名がどうの」と議論していた。
映画の観かたは人それぞれで良いとは思うが、あの映画をそういう浅いところでしか観られない感性は気の毒だと思う。
それほどに深いテーマだ。
といっても、ヴァチカンが不買運動を扇動しているといった「対岸の火事的な宗教問題」として深いテーマだ、というのではない。
我々の生き方に関わる重大なテーマが横たわっていると言いたいのだ。
私は「多神論的無神論」者である。
平たく言えば、「我が内にこそ神あれ」という思想だ。
だから、キリストもブッダも孔子も「神」だとは思ったことがない。
あくまで人間として偉大な人物である。勉強の材料である。
歴史から人生のエッセンスを学び取るには、先人を神格化してはいけない。
同じ人間だからこそ学び取れるのであって、神として崇めてしまっては学び取れない。
神棚や仏壇に備えた供物をムシャムシャと食い荒らすことができないのと同じ理屈だ。
学ぶ対象が良いか悪いかではなく、自分の学び方が良いか悪いかだ。
だから、キリストは神ではない。自分の人生の教科書の一部であるべきだ。
そして、自分の学び方にこそ真実があるべきだ。どうしても神という言葉を使いたいのなら、自分の内にある真実を神と呼ぶべきだ。
誤った人生観で、誤った言葉を使い、誤った人と付きあい、誤った方法を行えば、自分の内なる神が悲鳴をあげる。
「この選択は間違っている!」と。
人間社会はそれをすぐ具象化する仕組みが内蔵されている。
選択を誤った人は社会からはじかれるようになっている。自然淘汰という作用によって、社会から排除されるように、はじめからなっているのだ。
歴史を学び教養を高めるのは、そのことを知るためだ。
つまり、私の持論からいけば、歴史を学ぶことが自分の内なる神に近づく最短の道なのだ。
(人を馬鹿にして金儲けに邁進することが成長と思ったら大間違いだ。事業家は学びながら稼ぐものである。学びを無視して稼ぐことに傾注しても得られるのは、現金と物質だけである。本当の豊かさこそ目に見えないのだ。目に見えないものは学ぶ姿勢の中で感じ取ることができるのだ)
そして、それはとりもなおさず、内なる神と対話し続けた勝利者に近づくことである。
それが彼ら、そう、キリストやブッダなのだ。
キリストやブッダは神ではなく、内なる神と対話し続けた偉人なのだ。
そして、ブランディングという作業は、この「内なる神との対話」に他ならない。
だから、「ブランディング・価値設計・人生の意味の模索」というテーマを念頭に置いて、この映画を観ると、深遠な世界が見えてくる。
そう考えると、主人公のラングドンが「紋章」「象徴」の権威というキャラクター設定も意味深だ。
ブランディングにおいて、「象徴」(シンボル)という概念がいかに重大かは誰しも知っているはずだ。
前回の記事にも書いたように、
「どんな言葉(or シンボル)を掲げるか?!」
ということである。
それを真剣に考えると、人生が大きく開ける!
だから、この映画だけはまず原作をしっかり読み込んで、自分の心の中にたくさんの思いを抱きつつ、劇場に向かうべきだろう。「話題作チェック」のノリでは行くべきではない。
ま、もっとも、どんな映画も作品の出来不出来が問題ではない。
観る側の意識・志によってクオリティが変わるのだ。
アカデミー受賞作を観ても成長しない人がいれば、逆に、誰も知らない駄作の中にも真実を発見する人はいるものだ。
真実は「向こう」にあるのではない。我が心の内にあるのだ。
X-FILEのキャッチフレーズ、
“The truth is out there” 「真実はそこにある!」では不充分である。
“The truth is right here!” 「真実はここにある!(胸を叩いて)」こそ正しい。
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